代表者  松田 勝則

会 員  5人

伝承地  延岡市伊形地区(伊福形・土々呂・櫛津・鯛名・赤水の各地域)

 

伝承の由来・変遷

 

旧伊形村のうち、純農村地域・伊福形を中心に伝承された神楽です。

旧幕時代は伊形各村の氏神社を管轄していた三須村・若宮八幡宮の神官・今村家が祭典の度に祝子(ほり、太夫とも)を引率して各社の神事に神楽を奉納していたと言われています。延岡城内の神楽役人が伝承していたことから、お城神楽、ご本城神楽などの名称もありました。

明治11年(1878)、伊福形・土々呂に小学校が設置された時、伊福形の神職・岩切司氏が子供たちを集め、読み書きを伝授。また、神楽舞を教授し、祭典に奉仕しました。

大正12年(1923)、神楽伝承者が高齢化したため、地区の事業として後継者を育成しました。当時の村内7集落から旧家の長男を1人ずつ選出し7人の若者が古老に師事しました。このメンバーは昭和後期まで神楽を奉納しました。

大正の神楽メンバーの高齢化のため、昭和41年(1966)、新たに地区事業として青年団のメンバー5人で習得。伝統文化を軽視する風潮のなか、ほとんどのメンバーが離脱するなか、会長の岩切隆氏(1945~2012)が一人継続し、当時存命だった恒富、南方、門川町の各師匠のもとへ日参し、延岡神楽33番と別神楽4番を習得しました。当時でも前番付を習得した人はおらず、おそらく延岡神楽史上初の37番マスターであろうと言われています。

この岩切師匠から北川、門川、鹿狩瀬、大野、大峡の各地区に神楽の指導がなされ、現在の延岡神楽の隆盛を見るに至っています。

 

演目

 

大別12番・詳細33番・別神楽4番=総番付37番で構成。

▽大別12番=1、鎮守 2、太刀 3、幣神髄 4、三番荒神(以上が式三番) 5、弓矢 6、大神 7、注連口 8、御笠 9、綱口 10、問答 11、七荒神 12、岩戸

▽詳細33番=1、鎮守 2、太刀 3、扇子 4、柴 5、抜手 6、舞の手 7、幣の手 8、荒神 9、平手 10、手の舞 11、矢の舞 12、弓の舞 13、舞の手 14、幣の手 15、平手 16、糸の手 17、日月の舞 18、笠取荒神(夜の荒神) 19、御田植神楽 20、平手 21、散米 22、綱まわし 23、問答 24、七荒神 25、太刀神髄 26、鎮守 27、天の太玉命 28、天の児屋根命 29、天の宇豆女命 30、天の太力男命 31、天の戸隠命 32、太力舞上げ 33、蛇切り

▽別神楽=幣の神楽34、舞の手 35、幣の手 36、沖栄(おきえ)神楽=えべす神楽 37、鞭神髄(ぶちかんずい)

 

祭りの日程                     

 

【村内6カ所の氏神神社例祭】

期 日  :  元旦、夏=7月3・4日、秋=11月2・3日

会 場  :  上伊福形神社、伊福形神社、霧島神社、櫛津神社、鯛名神社、赤水神社

【与太夫神社大祭】

期 日  :  旧暦11月23日

会 場  :  与太夫神社

【霧島神社十日恵比須祭】

期 日  :  2月10日

会 場  :  霧島神社